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どくんご
薄れないうちに書き留めておこう、どくんごのこと。

今年も観に行ったよ、小倉城のふもとのテント小屋。
もうまずその場所が良い。徒歩数分のところには大きな劇場が入っている商業施設、その目の前で、
こんな芝居をやってるという皮肉。いや、もちろんその大きな劇場でも素晴らしい作品はたくさんかかっているのですが。
率直に言って、とても、とても、面白かった!手放しで讃えたい。期待を裏切らない安定感でした。
彼らにしか、こういう上演形態でしか、全国旅巡業という形でしか成し得ない、背負ってるものが大きすぎる面白さでした。
刹那的で、切なくて、みんな詩人。美術も詩的。キッチュ?すごい素敵。
大事なものを、大事だからこそかなぐり捨ててしまうような、やるせない瞬間や逆説をたくさん切り取って、
コラージュして、言葉や体をちりばめていくセンスは圧巻。
役者さんの強度にも毎度感服します。達者な方ばかりで・・・目眩が。
今回は特にあのラップの男の子がすごかったなー。初舞台と小耳に挟みましたが、度肝を抜かれる才能でした。
そして毎度気になるのが、どうやって作ってるのか、一度で良いから稽古場を観てみたい。
エチュードから立ち上げて行く、というかほぼ一人語りが多いので、それぞれが台本書いてるのかなあと想像しているのだけど、実際どうなんだろう。脚本でクレジットに名前があったので、違うのかな。
あまりにも役者さんが吐くセリフが、その人の言葉になっていて、それは稽古の賜物なのか、作劇の妙なのか、
まあきっと両方なんでしょうが、毎度その点には感動します。
もう小倉は旅だって次は鳥取に向かわれたよう。
昨日の大雨の中、テントばらされたようで・・・風邪ひかないといいな。
お体気をつけて最後まで走り抜けて欲しいです。
関東近郊の方、是非。ホントにお勧めしたいです。9月にジブリの裏でやるらしいです。
詳細→どくんご
幕間(?)の雪文がまた安定感のある面白さでした。
なんか全体的にズルい。もちろんユルい。そしてアイスはウマい、みたいな。
力一杯な芝居の中でアレ出て来たら・・・ズルいでしょう。
ああ、アイス食べたかったな。
北九州にはこんなに美味しいアイス屋さんがあります。→ユキモン

舞台がこんなに素晴らしかったからこそ、どうしても書かずにはおれないのが写真撮影について。
どくんごは上演中、フラッシュなしであれば写真撮影して良いんですね。
今回あまりにも、あまりにも携帯で写真撮影する人が多くて、パシャパシャ音が鳴ってたので、
帰宅してから「どくんご、写真撮影」でググッてしまう程でした。
終演後、お世話になっている主催者の方に思わず言ってしまう程でした(Tさんごめんなさい、興奮してました。)
本人達が写真撮影を認めてるのであれば、もう私なんかが言えることは何も無いのですが、が、が、しかし。
ちょっとおかしくないか?
確かに私も面白いものに出会ったり、美しいものを発見したら、スマホで写真を撮るけど。
これまでも野外劇とか撮影OKな場合、撮ったこともあるけど、せめてもの節度は守るなあ。
音が鳴るような設定にしないで、なるべく周囲の迷惑にならないように、とか。。。
なにより上演している人への敬意を忘れないことだなあ。ていうか基本あんまり撮らないな。
何を観に来ているんだろう。舞台よね。ライブよね。
目の前で全身全霊であんなに美しい瞬間を生み出している人たちを前にして、
そんな四角い、狭い、画角の中に、何を収めようというのか。なんにも手に入らないよ。
撮った写真を後で誰かに見せるのか?ライブだから意味がある。写真に撮ったライブほど無意味なものはない。
SNSでタグ付けてタイムラインに流すことは、生きている瞬間の記録にはならないよ。
SNSはただの遊び道具、オモチャだよ。それがリアルな人生だとでも勘違いしているんだろうか。
それよりも目の前で紡がれる美しい時間を目に焼き付けて、後で周囲の人と語り合うことの方が、よっぽど価値があると思うんだけど。これは価値観の押しつけなんだろうか。
クライマックスの一番良いシーンで、周囲の迷惑顧みず携帯を高く掲げてパシャパシャ写真撮りながら隣の人と平気で話している人や、2時間常にデジカメを構えて良いシーンが始まると撮り始める人がモンスターに見えました。
舞台を見るっていう教育がされてないからっていう問題じゃない気がする。
もちろん舞台を見る姿勢が養われていないことも情けないことなんだけど。
それ以前に、その時、その瞬間、何が大切かっていうことを見失っている感じ。
しっかりしろ、日本人。

JUGEMテーマ:演劇・舞台
11:03 演劇 comments(0)
畠山美由紀


筆者近影。元気です。
日々の繰り返しに追われて、自分の為の時間や自分に向き合う時間なんかとても取れてませんが、
それでも少しずつ気持ちにゆとりは生まれてきてます。
布おむつを始めてみたり。
産後直後に一度挫折したけど、今回はスムーズに。
やってみるとなんてこたないし。繰り返し使えて気持ちが良いし。なにより想くん自身が気持ち良さそう。
お店で読み聞かせを定期的に始めたり。
思うようには行かないことが多いですが、自分の為にもお店の為にも、前進している感じがして、これまた、良い。

先日、誕生日のプレゼントとして、畠山美由紀のコンサートに連れて行ってもらいました。
託児サービスがあったので、少し不安ながらも、初めて親以外の人に預かってもらいました。
畠山美由紀は、大学時代にちょっとハマっていたくらいだったので、そんなに知識はなかったのだけど、
先日ラジオから流れて来た『わが美しき故郷よ』という曲に感動しました。
コンサートは。本当に素晴らしかった。行って良かった。
これだけは書いて残しておきたい、あのコンサートを見に行ったことを記録しておきたい、
そう思わせてくれるような、素敵なコンサートでした。
日本語が、言葉が、とにかく美しい。
発する音の一粒一粒に夢を見ることができた。
『わが美しき故郷よ』は震災の後、故郷の気仙沼を想って作られた曲。
震災の時、何もできなかったから・・・と。曲を作ったあとも被災地の人にこんな表現で良いのだろうかと
迷いながら作ったとのエピソードを添えて聴かせてくれた。

伴奏のギターが始まると、憑依、という言葉に近い程、世界に入る。
私たちの目の前で体を響かせて歌を歌う。
私たちはその姿に、その音に、心も体も刺激される。
夢を見るているのに似ている。
いろんなことを想う。チラチラと、とりとめも無く。
ああ、あのドレスの赤とも朱ともつかない色は夕焼けみたいだなあ、というどーでもいいことから、
ああ、あの時あの人を傷つけた言葉はひいては私自身を傷つけて今もこんなにひっかかって、孤独なんだなあ、という
全く関係ないシリアスかつパーソナルな問題まで、チラチラと、とりとめも無く浮かんでは消える。
良い音楽や良いお芝居や映画は、そんな時間を与えてくれる。
昔から、いつでも。誰にでも。
そしてそんな時間なしには、生きて行けない。少なくとも私は。

何もできないことなんて、ないですよ、畠山さん。
その人が抱える苦しみはその人のものでしかない。
「あなたの悲しみがわかります」なんて、絶対言ってはいけないし、むしろそんなやつには気をつけたい。

ただ、寄り添って、見守るような、そんな歌を歌ってもらえたらもうそれだけで。
何もできないことなんか、ないです。
素晴らしい時間と経験を、ありがとうございました。

アンコールのあと、CDも買わずに託児室に駆けつけてみたら、年上のお兄ちゃんお姉ちゃんに
囲まれてあやされてました。
ほっ。

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